「音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2015 ~夏の終わりに 2015~ 安藤裕子×Salyu」 レビュー

「音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2015 ~夏の終わりに 2015~ 安藤裕子×Salyu」に鎌倉の由比ヶ浜海岸まで今年も行ってきました。 簡単にだけどレビューします。

わりとギリで入場してしまったことと、帰りは空きっ腹にビールを注ぎ込んだため軽く酔っぱらっていたこともあり、会場の外観写真を撮るのをうっかり忘れてしまいました。
仕方がないので、もぎり後のチケットとリストバンドの証拠写真です(笑)

会場は去年と同じなので、会場の雰囲気は音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2014を参考にしていただければと思います。 去年は8/5の熱い盛りの中行われ、汗が尋常じゃなくダクダクで全身びしょ濡れだったのに対し、今年は夏の終わりですっかり涼しくなった中だったので、水の無料配布サービスはありませんでした。

ポジションはかなり前列で、ボーカルとは3m程度の間近で観れましたが、あまりに近すぎてスピーカーの配置上、逆にボーカルが少し聞こえにくいという状況でした。

オープニングアクトは、去年に引き続きの参加で桐嶋ノドカさん。 伸びのある歌声が素晴らしい。 そしてもう一人は佐藤嘉風(さとうよしのり)さんという男性。 まったく存じ上げておりませんが、背の高い顔の濃いイケメンさんでした。 ご自身で「すみません、急にインド人みたいなのが出てきて」なんておっしゃってましたが、楽屋でも安藤裕子とSalyuさんに「外国の方ですか?」と問われ「違います」と答えたら「じゃあ沖縄の人?」っていうやりとりがあったそうで、普通に岐阜県民の純粋な日本人とのこと。

Salyuさん登場。 
Salyuさんの、どこか中性的な伸びやかで声量のある歌声は、非常にイメージ喚起力の高い絵画的といった感じで圧倒されました。 歌いながら自身でPAオペレートもされていてカッコイイ。 ねえやんが自身のTwitterで「やばい。。。Salyu×salyuのコーラスが恐ろしい事になり過ぎてて。。。」と言うのもわかります。
でも、歌う時以外の素の挙動不審さは、ねえやん以上かも(笑)

キーボードは、Salyuの生みの親と言える小林武史さん。 眼光鋭い感じでちょっと怖い(笑)けど、でも笑顔はやさしく、ギャップがあって素敵です。
小林武史さんと安藤裕子の直接の関係はないものの、安藤裕子の中学時代のバスケ部の先輩だった一青窈とは、アレ(笑)な関係で一時期世間を騒がせたことがありましたね。

【Salyu セットリスト】
1. calling you (original by SEAL)
2. 夜の海 遠い出会いに
3. 体温
4. カナタ
5. THE RAIN
6. to U
7. Lighthouse

安藤裕子登場。 
この日のねえやん、うっすら茶髪のお下げで眉が微妙に隠れる感じでパッツン。 青い耳飾りがアクセント。 ゆるっとしたカットの大きい袖なし横シマワンピが思っていた以上に短かったため、急きょ黒いパンツを穿いて対応したとのこと。 これで思い切り足上げしながら歌っても大丈夫。 インナーは最近のお気に入り色のエメラルドグリーン。 虹色キラキラのアッパーのサンダルが、偶然Salyuさんのサンダルのインソールも虹色キラキラだったというのがすごい。

『み空』で歌詞を失念したねえやん、途中でやり直しとなる。 その他の曲もところどころ失念してて、「ちょっと弛んでるぞ」と言いたくなりましたが、でも、観客側はそうでもなくても、簡易的な会場の構造上、ステージ側はかなり低い位置にある照明でかなり暑い(熱い?)らしく、中川家のネタでいうところの「ローソンのからあげクン」状態のようで、ギターのタカシくんもちょっと辛そうでした。

でも、カーペンターズの『I Need To Be In Love』は良かったなぁ。 もちろん、本家には遠く及びませんが、ねえやんの歌声で聴けたことが嬉しかった。

【安藤裕子セットリスト】
1. 海原の月
2. 360°(ぜんほうい)サラウンド
3. み空
4. TEXAS
5. I Need To Be In Love(Carpenteres cover)
6. グッド・バイ
7. 世界をかえるつもりはない
8. 問うてる

アンコールでの安藤裕子×Salyuの歌声のハーモニーは最高でした。 この二人でなにか曲出してもいいんじゃないかと思えました。
安藤裕子のアルト、Salyuのソプラノって感じで、見事にはまってましたね。
一曲目にMy Little Loverの曲をもってきたのは、小林武史さんつながりということです。 もちろん、これもキーボードは小林さん担当。

【アンコール(安藤裕子×Salyu)】
1. Hello,Again ~昔からある場所~(My Little Lover cover)
2. エイリアンズ(キリンジ cover)

『風街であひませう』(松本隆) レビュー

松本隆 作詞活動四十五周年トリビュート 「風街であひませう」についての簡単な勝手レビューです。
安藤裕子の音楽世界への導きとなったとも言える、”はっぴいえんど”。 そのメンバーの一員でもあった松本隆氏の記念トリビュートアルバムです。
安藤裕子がこのトリビュートアルバムに参加出来たことは、本当に安藤裕子にとっては名誉なことだったと思います。

松本隆 作詞活動四十五周年トリビュート 「風街であひませう」

安田成美で超有名な『風の谷のナウシカ』。 その安田成美の歌唱については様々賛否両論ありますが、私は昔から好きですよ。 ねえやんも先日Twitterにおいて娘さんもお気に入りだとツイートしてたぐらいですし(笑) 作曲は言わずもがな、元”はっぴいえんど”の細野晴臣氏。

この曲は、昔から金曜ロードショーにおいて映画『風の谷のナウシカ』のスポンサー紹介画面のBGMとして使用されるのみという扱いで、映画本編では最後まで流れることはありません。 監督の宮崎駿氏、プロデューサーの高畑勲氏による「作品の世界観に合わない」という理由で本編での扱いは見送られたのですが、それでもなぜか、作品イメージに合わないはずなのに販促用のシンボルテーマソングとされたのでした(笑)  ねえやんが言う、「不穏でありながらエバーグリーン」という表現は、安田成美の歌唱についてだけではなく、このいつまでも愛される名曲のもつ「浮遊感」という本質を表すのに言い得て妙です。 そして「悠久の時と自然への希求」を感じさせる。 やはりこの曲は『風の谷のナウシカ』の主題歌になるべくして生まれたのです。

手嶌葵さんで今回カヴァーしたのは、このなんとも不遇な名曲を、なんとか世間に再評価してもらいたいという一念で、「そうだ、ジブリ専属歌手が歌うなら文句ないだろ」なんていう薄っぺらな魂胆があったかどうか知りませんが(笑)、ある程度成功しているのではないかと思います。 (ちなみに最終的な選曲は歌い手本人に任されているようです)

草野マサムネさんの歌う『水中メガネ』はまるでスピッツの曲そのものですね。 それもそのはず、この曲はマサムネさん本人の作曲だから。
Chappieというなぜか複数人いる歌手の中の謎の誰か(女性)が歌っていたという(笑) その他、高橋啓太氏のソロプロジェクト「オトナモード」もカバーしているとのこと。 でも、やっぱり本人が歌うのが一番しっくりきますね。 いい曲です。

クラムボンがカヴァーする『星間飛行』は、アニメ『マクロスF』の挿入歌であり、ヒロインのアイドル歌手ランカ・リーの曲とされ、ランカ・リー役の声優である中島愛本人が歌っています。 ちょっと古い人(笑)にわかりやすく説明すると、これは、映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』においてリン・ミンメイ役の飯島真理本人による主題歌『愛・おぼえていますか』のようなものですね。
クラムボンバージョンは、子どもたちが「ヤッ!」って掛け声を上げるところが妙にかわいくて気に入りました。

『白いパラソル』は、元々、松田聖子主演の映画『野菊の墓』の主題歌だったそうですが、ちょっとこれこそ”作品の世界観”に合っているのでしょうか(笑) 作曲はチューリップの財津和夫氏で曲そのものも、松田聖子の歌唱もとても素晴らしいのですが…
映画は観たことがありませんが、伊藤左千夫の小説『野菊の墓』は昔に読んだことがあります。 なんともせつなく胸の詰まるような明治時代の悲恋のお話でした。
この斉藤和義バージョンは松田聖子のルンルンのブリブリアイドルバージョンとは異なり、すっかり大人なジャズテイストですね。 う~ん、ますますイメージが…

『はいからはくち』は、前述したように安藤裕子の音楽世界への導きとなった“はっぴいえんど”の名盤『風街ろまん』に収録されている曲です。 原曲はブリティッシュロックの影響を色濃く受けたことが伺える曲調ですが、やくしまるえつこによるバージョンも雰囲気が良く、むしろ、より”はいから”さんです。

『卒業』は、80年代半ばを象徴するような斉藤由貴のデビュー曲です。 これを同じYUKIという名のアーティストがカヴァーしたわけですが、元ジュディマリといえども、かつての透明感のある斉藤由貴の歌声とかわいらしさには残念ながら及びません。

『Tシャツに口紅』 ラッツ&スターによる、ザ・80年代の曲って感じ。 ハナレグミが歌っているのにそう感じます、もちろんいい意味で。 コーラスもラッツ&スターそのものみたい。 作曲は、一昨年の暮れに亡くなった元”はっぴいえんど”メンバーだった大瀧詠一氏によるもの。 幸せな80年代です。

中納良恵 (EGO-WRAPPIN’)による『探偵物語』は、悪くはないですが、若かりし日の薬師丸ひろ子の透明感には到底及びません。 やはり、鈴鹿ひろ美さんは偉大です。(只今『あまちゃん』再放送にハマリ中)

ようやく安藤裕子の『ないものねだりのI Want You』のご紹介。 安藤裕子が小学校低学年の頃にどハマリしていたあのC-C-Bのカヴァーですよ! 幼い安藤裕子がこっそり夜中に親の目を盗んで夢中になっていたドラマ「毎度おさわがせします」の主題歌にも「Romanticが止まらない」同様に採用された曲ですよ!
さすがカヴァーの女王ですね(言われてたっけ?)、しっかり自分のものにしています。 80年代半ば頃では珍しかったラップ調の曲を、これまたラップとはちょっと遠いところにいる安藤裕子が再現するということもまた珍しいことです。

残念なことに、先日、C-C-Bでキーボードを担当していた田口智治氏が覚せい剤取締法違反に逮捕されたのに引き続き、昨日、リーダーでベースを担当していた渡辺英樹氏が病死されたというニュースが飛び込んできました。 青春時代を送られた世代も、ねえやんのように子供時代に熱狂した世代も大変ショックが続いています。 世は無常。

ちなみに、私がC-C-Bの曲で一番好きなのは『原色したいね』です。 調べたらこれも松本隆の作詞だったんですね。

松田聖子の名曲『SWEET MEMORIES』。 「あの頃は若すぎて」なんていう歌詞からもわかるように、当時21歳だった松田聖子が大人の歌手への第一歩を踏み出したような曲で、タイトル同様、英語歌詞が多用されたことも印象的な曲でした。 後にペンギンアニメのサントリーCANビールのCMで親しまれました。 
小山田壮平 & イエロートレインのこのバージョンもなかなかしっとりしていていいですね。 この曲そのものが甘い記憶のよう。

スペシャル・トラックとして、細野晴臣御大による『驟雨の街』(しゅううのまち)が最後を飾ります。 この曲は”はっぴいえんど”が未完成の未発表曲のまま解散してお蔵入りしていた曲を、約40年後の現代においてあらためて完成させレコーディングしたものだそうです。 御大の色気ある歌声はまったく枯れる気配さえ見せず、むしろますます艶やかさを増していっているようです。

完全生産限定盤には、「風街でよむ」という歌詞朗読のDISC2が付属しています。 有名俳優らが情感たっぷりに松本隆の世界を語ります。 斉藤由貴本人による『卒業』、薬師丸ひろ子本人による『あなたを・もっと・知りたくて』、松本隆本人による『風をあつめて』などがレアですね。

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「風街でうたう」
1. 風の谷のナウシカ / 手嶌葵
2. 水中メガネ / 草野マサムネ
3. 星間飛行 / クラムボン
4. 白いパラソル / 斉藤和義
5. はいからはくち / やくしまるえつこ
6. 卒業 / YUKI
7. Tシャツに口紅 / ハナレグミ
8. 探偵物語 / 中納良恵 (EGO-WRAPPIN’)
9. ないものねだりのI Want You / 安藤裕子
10. SWEET MEMORIES / 小山田壮平 & イエロートレイン
11. 驟雨の街 (スペシャル・トラック) / 細野晴臣

「風街でよむ」
1. キャンディ / 斎藤工
2. 夏色のおもいで / 宮﨑あおい
3. 言葉 / 東出昌大
4. 蒼いフォトグラフ / 夏帆
5. はーばーらいと / 山田孝之
6. 瑠璃色の地球 / 井浦新
7. 夏なんです / 加瀬亮
8. 魔女 / 有村架純
9. 初戀 / 広瀬すず
10. レモネードの夏 / 中川翔子
11. 外は白い雪の夜 / 太田裕美
12. 空色のくれよん / 永山絢斗
13. 哀しみのボート / 小泉今日子
14. 卒業 / 斉藤由貴
15. 瞳はダイアモンド / リリー・フランキー
16. あなたを・もっと・知りたくて / 薬師丸ひろ子
17. 風をあつめて / 松本隆

松本隆 作詞活動四十五周年トリビュート 「風街であひませう」(完全生産限定盤)
http://www.jvcmusic.co.jp/kazemachi45/

「360°(ぜんほうい)サラウンド」 MV

「360°(ぜんほうい)サラウンド」MV正式版が、MVお試しバージョン(現在は既に削除)からパワーアップして、静止画から動画になりました。

「360°カメラ」を使った360°のパノラマ映像にCG合成が施されたMVとなっています。
ジャイロセンサー内蔵のスマートフォンなどでYou Tubeアプリで視聴すると、前後左右どの方向にも映像が連動し、小さなパラレルワールドが手のひらに存在しているかのようです。
しかも、よく確認するとこの映像、設定をいじると最大4K映像で楽しめるのですね。 スマホで4K映像はまだ荷が重いし、画面解像度的に足りていないですが将来の発展の余地があります。

同時に2~3人の安藤裕子が出現するので、どのねえやんを追うかで忙しいです。 最初は回転椅子に座って視聴しましたが、足をバタバタさせて回転していたら軽く目が回りました(笑)

映像も素晴らしいですが、曲もとても気持ちの良いスキマスイッチの夏の曲なので、恵比寿LIQUIDROOMに引き続き今年の夏フェスでも聴けることでしょう。

【Android&PC】
https://youtu.be/zDtETW9Tp7w

【iPhone】
YouTubeアプリより「安藤裕子 360」で検索

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