安藤裕子は森ガールなのか
2009年のファッション界の流行語のひとつに「森ガール」というのがあった。
私は、「森」のついた女芸人三人組の「森三中」が思い浮かんでしまい、抵抗感がある。
それに「森」と「ガール」という言葉の組み合わせもどうも違和感をぬぐえない。
けれど、森ガールは増殖中のようで、このあいだ、電車内でもそれらしき格好の女性をみた。
全身手作り感のあるメルヘンちっくな格好で座席に座り、しきりにメールを打っていた…
では、安藤裕子は森ガールなのか?
安藤裕子の生活スタイルやファッションが森ガール的、もっといえば森ガールの元祖ではないかと感じているファンは少なからずいるようなので、すこしばかり検証してみたい。
そもそも森ガールとはどういったものなのか?
森ガールという名前は、mixiの「森ガールコミュニティ」管理人が友人に「森にいそうな格好だね」と言われたことに由来するという。
森ガールの定義とは…
森ガールとは
- ゆるい感じのワンピースがすき
- シンプルよりどこかくせのある服がすき
- ナチュラル系にみえるけど、すこしクセのあるファッション
- 素材にはこだわりたい
- 民族系の服装もすき
- Aラインがでる服装をする
- ちいさな子が着るようなワンピースもすき
- スモッグのようなワンピースやブラウスがすき
- 全身甘々ファッションはすきじゃない
- ボルドー・深緑・紺・茶色など、深い色合いがすき
- 暖色系が似合う
- 短いネイルのほうが落ち着く
- ニットやファーで、もこもこした帽子がすき
- イヤーマフがすき
- ポンチョやボレロがすき
- 革製のバックをもちたい
- ポシェットとかつい使ってしまう
- 銀より金の小物がすき
- 古いものに魅力を感じる
- 懐中時計がすき
- ルーペとか大きなモチーフのネックレスがすき
- 動物モチーフすき
- お菓子モチーフすき
- チェックやドットがすき
- レトロな花柄すき
- タイツ・レギンスがすき
- 靴は基本ぺたんこ
- ラウンドトゥがすき
- スニーカーを履くならスリッポンでゆるくかわいく
- 普通のボタンより、くるみボタンがすき
- マフラーもストールもぐるぐるまきにしたい
- 冬はタートルネックが基本
- 重ね着好き
- パフスリーブにきゅんとする
- 童話が好き
- 色白
- ゆるいパーマをかけている
- ボブ×パッツン
- パッツン×ロングのゆるゆるパーマ
- ロリータとはちがうの
- ガーリー
- カフェでまったりするのがすき
- カメラ片手に散歩をするのがすき
- 雑貨屋さん巡りをついついしてしまう
- すきなものはついついコレクションしちゃう、コレクター
- 本屋さんでかわいい本を見つけると嬉しい
- 家具屋さんにいくとわくわくしてしまう
- 手作りがすき
- 季節は秋と冬がすき
- いつか北欧にいきたい
- チークはまあるくいれたい
- 香水は付けるならほんの少し漂う花の香りがいい
- やわらかい雰囲気がでてるおんなの子
- 透明感のあるおんなの子
- つねにゆるい雰囲気をだしている
- 友達に『森にいそうだね』といわれたことがある
- 北欧系ファッションに興味津々
- 友達に『森にいそうだね』といわれたことがある
- やわらかい雰囲気がでてるおんなの子
- 透明感のあるおんなの子
ふうむ、なるほど、ねえやんのファッションや生活スタイルに共通点がないわけでもない。
いや、かなりど真ん中な項目もある。
たしかに安藤裕子が、森ガール的要素をもつことは否めない。
公園とか森とか、木のある場所が好きだとも言っている。
たしかに、森ガールという言葉が世間に知られるより前から、ねえやんのファッションはすでに森ガール的であった。だが、それをもって安藤裕子が森ガールの先駆者だとか元祖というのはちょっと違う気がする。
安藤裕子のファッションがデビュー当時から森ガール的であったわけではない。2003年から2005年ぐらいのねえやんのインタビュー記事やファッション雑誌などの写真を見ればわかる。髪は明るい栗色で、クラッシュジーンズを履きこなし、メイクも振る舞いもパンキッシュである。けれども、ゆるいパーマ、マフラーもストールもぐるぐるまき、色白、古いものに魅力を感じ、童話、カメラ好きなところは変わらない。
ねえやんの精神の安定がうかがえるのが、2006年以降。それ以前に比べると自分を強く主張することがなくなり、硬さと棘棘しさが抜け、アーティスト「安藤裕子」として表に出す言動が、全体的に落ち着いてまるくなった気がする。しゃべり方、物腰、ファッション。
まあ、世間での知名度が上がり、年齢も30代を迎えるにあたって、変化があって当たり前なのだけれども、落ち着いた先が、生活スタイルや嗜好もファッションも、なんとなく森ガール的になった?ということか。
2003年から2005年当時のファッションの潮流にもすでに森ガール的要素があり、ねえやんの本来の嗜好に近いものが状況的に集まりやすくなっていたと思える。まして、ねえやんが自身をファッションリーダーとして意識するようなことはなかったであろうから、好みやファッションセンスが、ねえやんの生き方の成長とともに、たまたま時代の潮流に乗ったということだろう。
まあ、もっと率直なことをいえば、ねえやんがモデルとして出ているファッション雑誌のファッションの傾向に、ねえやんの趣味が一致し、素直に影響を受けただけなのかもしれない。
結論、
安藤裕子は森ガールを意識しない、森ガール的要素を含んだ、自由なマルチアーティストである。