チャートバスターズR! (CBR) 公開収録スタジオライブ
RKB毎日放送の深夜の音楽番組「チャートバスターズR!」に安藤裕子が出演。 2009年11月29日にRKB T1スタジオにおいて公開収録とともにアコースティックスタジオライブがおこなわれました。 その時の映像を入手したのでご紹介。
まず一発目、ピアノなしで、山本タカシさんのアコースティックギターのみの伴奏で『愛の日』。いつもより力強く歌っている気がします。
トークになると、とたんに口を押さえて照れ笑顔。いつもの緊張しいのねえやん。
司会 「今年はベストも出しましたし、あらためて自分のこれまでの作品を見直す機会でもあったんじゃないですか?」
安藤 「そうですねぇ、いつもこう通り過ぎていく部分もやっぱりあるし、でも、なんかこう、ライブで歌ったりすると、なんていうの、その今の自分にフィットして曲が帰ってくるみたいな瞬間があったりして」
司会 「ベストを出して、全国ツアーも行ったじゃないですか、となるとお客さんの反応というのも肌で感じたと思うんですけど」
安藤 「なんていうのかな、その音楽をこう、生活の中で一過性に、その瞬間、時の流行りのように聴くというより、その音楽そのものを愛でて生活の中で聴いてくれるというのが、年々増えたなぁという実感はあって、いつもアンケートとかをライブの後に書いてもらって、読んでるんですけど、夜中にこっそり (笑) なんかそういうことしてると、なんか、こう、そういうその彼らの生活がまた逆に皆さんの生活が身近に感じられて、いろんな気持ちがその音楽に人の気持ちが混ざって共感していくというか、そうするとすごく歌も歌いやすい、 ん?歌いやすい?」
ここで『唄い前夜』演奏映像。ピアノがない分だけ、さらにシンプルに、よりアコースティック風味が増した気がします。
司会 「2009年締めくくるべく、リリースとなりました新曲が、『ラフマベティ』、これ造語なんですよね?」
安藤「そうです。」
司会 「どういう時に閃いたんですか?」
安藤 「なんか、タイトル決めないとなぁと思ってて、ある程度ミステリー的なねゲームなんですけど、要はファンタジックなんですよある程度お話が。そのファンタジーな世界に現実的な言葉は乗せたくないなというのがあって、なんかこう、合言葉みたいな、なんか秘密の言葉みたいな、秘密の言葉みたいなものを音で探ってったら、出来た!みたいな」
ここで『Paxmaveiti – 君が僕にくれたもの -』の演奏。アコースティックバージョンはこの時点では初お披露目だったはず。
司会 「これ、福岡のレベルファイブっていうゲーム制作会社の人気ソフトなんですよ、ええ、」
安藤 「おもしろいですよ、謎」
司会 「けっこう、そういうのやるんですよねぇ」
安藤 「うん~と、なんだろな、あの、マネージャーがすごいゲームが好きで、今日は来てないですけど、その人がこれ面白いよって貸してくれたりしてはじめたら楽しかったんですけど」
司会 「ハマっちゃったわけですか?」
安藤 「フン!」
司会 「今回のテーマで言えば、出会いとか旅立ちとか、そういったフレーズですかね?」
安藤 「そうですね、今回、脚本がそのまま、エンディングの絵コンテとか、もういろんなイメージとか、すごくこまかく指示して頂いてたんで…」
司会 「やっぱりそのー、自分自身の身を削って詞や曲を作っていくときと、第三者からこういうテーマでって与えられた時とでは、やっぱ脳の回路とか違うんですか?」
安藤 「そうですねぇ、なんか自分のは自分で出てくるってだけっていうところがすごく強いけど、人の場合はなんかスイッチがはっきりしているというか、妄想スイッチみたいなのが、その人の写真をずーっと見たりとか、なんか宣材写真みたいなとか、まあ会ってお話させてもらうとより書きやすいんですけど」
司会 「まあ、第三者から与えられたテーマで、こういう『ラフマベティ』という曲が生まれましたけど、そのカップリング三曲目、『人生お見舞い』、どういうときに作った曲なんですか、これ?」
安藤 「これはなんかフラフラ歩きながらとか、作ったんですけど…」
司会 「歌詞読んでもいいですか?これがフラフラ歩いてるときに出てきたんですか? 生まれつき運が悪いのは親のせい、生まれつき頭が悪いのもパパとママの全てせい。どんな歩き方してたんですかねぇ?(笑) どういうウォーキングだったんですか?」
安藤 「いや、なんか、愚痴っぽいという気持ちよりは、どちらかというと、なんか私あまりメッセージソングみたいなの書かないんですよ。いつもなんかこう、自分の突発的な感情が出てきたりするようなものを歌って、それでその曲に対してなんか心揺れる人がいたら、あ、ここね、なんかここくすぐられるよね、みたいな共感を求めてるというか、そういうところに過ぎないと思うんですけど、なんだろな、なんかこれはきっとたぶん、どっちかというと、いろんな年を重ねてきて、生きることはすごく難しいな、という日々実感を得て、それを一緒にドーンと落ちていくよりは、なんかみんなで横並びで、しょうがねぇよ、そういう時もあるよね、ってなんか笑っていたかったというか、うん、だからなんか歌詞はすごい愚痴っぽいっていうか、全部もう自分がなんでこんなツイてないんだよっていう気持ちを肯定してあげたかった、そんな感じですかね」
ここで、『人生お見舞い』のライブ初公開。これ、CDより完成度が高い分いいですねぇ。 ねえやんの歌い方もせつなさが加わっていて、なんか泣けます。このバージョンでCD化して欲しい。次のアルバムでは完成度の高い『人生お見舞い~アルバムバージョン~』みたいな感じで収録してほしいものです。
「じゃあ、歌うよ」
「ちっちぇーぞ!」叫ぶねえやん。このやりとりはその後のアコースティックライブでもありましたね。
これとは別の放送日となる、年が明けた2010年1月9日のチャートバスターズR!で、未公開だった分のライブ映像を取り上げてくれています。この映像では、『ドラマチックレコード』を情感たっぷりに歌い上げています。通常のアコースティックライブの時に聴く時よりもさらにスローテンポのようで、これまでに聴いたことのない別バージョンの『ドラマチックレコード』って感じです。歌詞もいつもよりもはっきり聴き取れ、たぶんスタジオにいれば鳥肌立ってたでしょうね。
ピアノなしバージョンのアコースティックがこんなによいものだとは… そういえば、山本タカシさん監修で『ギター弾き語り 安藤裕子Songbook』が出版されてましたけど、このライブ映像を見れば、ギターを弾ける人はSongbookを傍らに弾きたくなるに違いないでしょう。