2LDK主題歌 「隣人に光が差すとき」
堤幸彦監督作品、映画『2LDK』の主題歌「隣人に光が差すとき」は、ねえやんのメジャーデビュー前の曲ですが、安藤裕子のファーストアルバム『Middle Tempo Magic』に収録された「隣人に光が差すとき」とは別物です。 名義も、「安藤ゆう子」となっており、リリース時期にも2年ほど開きがあります。
はっきり言ってこの映画はかなりエグい。 最初はおふざけなテイストの映画だと思っていたら、どんどんエスカレート。 もう、ほんとやり過ぎでしょ、後半は壮絶な殺し合いだからけっこうグロい。
女二人の、生き残りのための執念が生む壮絶なバトル後の、むなしさと死の沈黙。
その後に流れ出す曲として、どうしたわけか、ねえやんの歌声がやたらにしっくりくる…
どちらがオリジナルとも言えないけれども、『Middle Tempo Magic』に収録された「隣人に光が差すとき」と、2LDK 安藤ゆう子の「隣人に光が差すとき」とを聴き比べると、前者は、後者よりも、ずっと歌声はやさしく、歌声も安定し、曲としての完成度の高さにおいてずっと上ですね。 後者は、拙さが残る歌声ながらも、録音を重ねる手法を用いているのが特徴で、エンド・クレジット前半の早朝の東京の街の風景にも馴染んでいます。
なんだろう? このドキドキ感は。
2LDK 安藤ゆう子バージョンは、ねえやんの「伝えたい」、「表現したい」の魂が胸に鋭く突き刺さるよう。
この曲の誕生理由についてここでは割愛しますが、ねえやん自身も機会ある毎に語り、よく知られていることですね。 この曲をねえやんが最初に生みだした時期により近いためか、情念の生々しさが伝わってくるようで、結果、この「狂気の女の本音バトル映画」に寄り添ってしまっているようです。
メジャーデビュー前のレアなねえやんの歌声を聴きたいという方は、ぜひ一度この映画のDVDの、チャプター22のエンド・クレジットを観ることをおすすめします。
いや、出来ればぜひ、映画全編をご覧下さい (笑)
ねえやんの大恩人、堤幸彦監督作品ですから。