2011 アコースティックライブ 関内ホール
安藤裕子 2011 アコースティックライブツアー初日の横浜、関内ホールに行きました。
今回、会場がほとんど暗いままだったので、メモとりも大変でした。 少々自信のないセトリですが、思い出せる範囲で短い感想を添えて。 間違いがあれば発見次第修正します。
あと、完全にネタバレなのでご注意。
星とワルツ
ピアノのやさしいイントロ、これぞ「安藤裕子の世界」という曲からスタート。
伸びやかな歌声が心地よい。
ドラマチックレコード
アコースティックバージョンのドラレコ。 この曲本当に好き。
「抱きしめていてよ!」のところが力強かったのが印象的でした。
MC
一息ついて短いごあいさつ。
TEXAS
うわ~またもや大好きな曲キタ~
今までにない、とても力強い歌い方だったな~
あなたと私にできる事
とても力強く歌い上げてくれました。 途中ねえやん泣いたのか、声を出せなくなった瞬間がありました。
ここまでのセトリはある意味、定番の曲ばかりなので、おそらく、いつものライブアンケートで「あなたのライブで聴きたい曲」の上位だったものを持ってきたのではないかと思いました。
MC
人前に立ってしゃべるのが恐ろしいと。 地震の影響でこのライブも出来ないんじゃないかと思っていたと。
今年に入って一息つくことがなかったような気がする。 地震もそうだし、個人的に大切な人を亡くしたということ。 「ごめんなさいね、しゃべるの下手なんで」 (ねえやんは歌で雄弁に語っているからOK!)
六月十三日、強い雨。
ねえやん、歌の途中で泣いちゃいました。 いろいろ思うところがあるからですね。
たとえば君に嘘をついた
この曲で今回私は一番に泣いた。 もう涙でねえやんが見れなくなっちゃって、何度もこぼれた涙を拭いながら聴きました。 せつなすぎます。
蒔かれた種について
一瞬、「問うてる」の新しいアレンジかと思ったようなイントロでした。
自分の弱さと戦い、跳ねのけるための力強い歌声。 感情のこもり方がいつも以上でした。
MC
ゲストを呼んでいるといい、「うちのスーパーモデルです」と言って、マネージャーのジャネイルヤングが舞台袖から現れる。 物販コーナーがライブ途中に入るというはじめての展開。
以下、3曲はリクエストコーナーです。
マネージャーが1曲ごとに入れ替わり立ち替わりで壇上に登場して、リクエスト指名をおこないました。
マミーオーケストラ
短めにかわいらしく歌ってくれました。 観客の手拍子も自然と入りました。
このリクエストコーナーはライブ中盤の、演者と観客の間にやわらかい空気をつくるのに、とても大切ですね。 観客の緊張が笑顔で解けます。 演者のねえやん、ダブル山本にとっては、冷や汗マゾコーナーとなるわけですが。
私は雨の日の夕暮れみたいだ (アコースティックバージョン)
「同じトーンだから歌いやすい」とか言ってたかな? これも短めで。
み空
明るく元気よく、みんな手拍子。
MC
お茶を飲みますと言って、コップを手に持つ。 コップの中は喉によい甘い紅茶とかなのかな?
この間、カバーアルバムを出したので、これからカバー曲を少し歌うとのこと。
Smile
Nat King Cole (ナット・キング・コール) の「Smile」のカバー。 CMなどでもよく使われる、古き良きアメリカを感じさせる名曲ですね。 チャーリー・チャップリンの映画『モダン・タイムズ』の主題歌として有名な曲です。 もちろん全て英語で歌いました。
松田の子守唄
ライブで初披露ですね。 CD音源よりも声の出し方がライブバージョンということもあり、張り上げるような歌い方でした。
夜と星の足跡 3つの提示
バックのスクリーンに、群青色の雲海のようなものが映る演出。
ピアノ、ギターのだんだんに力強くなっていく伴奏に合わせて、ねえやんのとてもとても力強いアウトロの叫びは会場を圧倒させました。
この曲のオリジナルCD音源は、決して激しい印象の曲ではないのですが、このライブのアレンジの方が私は断然好きですね。
ワールズエンド・スーパーノヴァ
ギターから始まるイントロに合わせて、ギター担当の山本タカシさんのシルエットがバックに大きく映り、そのあと、ピアノが入るタイミングで、今度は山本隆二(もっさん)さんのシルエットが交差するように映り込むという、「しびれる演出」をしてくれました。 カッコ良かった~
欲を言えば、最後にねえやんのシルエットがセンターに映れば最高だったんだけど。
この曲もアレンジによる、アウトロのねえやんの叫びが特徴的でした。 先日の六本木ヒルズアリーナで行われた「TOKYO M.A.P.S」の時よりもちゃんと安定していて良かった。
歩く
「亡くなった祖母に歌う」として、これまでずっと座って歌っていたねえやんが立って歌いました。
今回絶対にこの曲は最後のあたりに来るだろうと思っていました。
元々は友人の亡くなったお母さんのための曲でしたが、ねえやんにとって、もうひとつ、自身のおばあちゃんのための曲ともなりましたね。
「夜は走り去る」の最後のフレーズが涙で歌えなくなり、そのままねえやんは一礼して舞台を去りました。
アンコールMC
震災についてと、「地平線まで」のチャリティCDの紹介。
善意というわけではなく、危機感でおこなうチャリティであると。
地平線まで
もう、語ることないです。 とても良かった。 大きすぎないあの会場に心地よく響く歌声にうっとり。
今回のアコースティックライブ関内ホールは、とにかく、安藤裕子ねえやんの歌声がむちゃくちゃパワフルになっていることに驚きました。
もう、凄みの極み。 気迫ある歌声に圧倒されます。 喉潰さないか心配になるくらい。
日頃のボイストレーニングの賜物でしょうけど、それだけじゃなく、今回は歌への思いの込め方がいつも以上であった気がします。 震災のことや最愛のお婆ちゃんを亡くしたことが今、ねえやんの心の多くを占めているからでしょうか。
だから、これまでで一番に、私も含め会場の皆さんも泣いたのではないでしょうか。 私のとなりと前に座ってる女の子も皆泣いていましたから。 そして、ねえやん自身も。
ただ歌を聴いているだけなのに、こんなにもじわじわ泣けるってすごいなと。
涙で体の中から浄化されるような感覚。
安藤裕子の歌声の魅力は、歌声一つの中に、とても力強い大人の部分と、繊細で純粋な、か弱い子供の部分の巧みな共生にあると思う。 一つの曲の中に、また、ワンフレーズの中にも、強い大人と弱い子供が共に存在している。 その葛藤と共鳴が、揺れる心、揺れる魂の震源なのかもしれない。
本来、ぬくぬくとしたところに居たがる子供じみた自身の弱さを、常にとなりで叱咤する大人安藤裕子がいるような、そんな歌声。 かつて、安藤裕子の歌を最初に見出したオリコンの創業者、故小池聰行氏が「魂を揺らす」と評したということを思い出します。
しみじみ思うのが、ライブというものは、ライブでしかその良さが理解出来ないものだということ。
いくら録画されたライブDVDを見ても、その時の感動は1/10も伝わりません。
ライブの感動を気軽に味わうことが出来ないからこそ、ライブの価値があるんでしょうけど、こんな素晴らしいものを、どんなに高度に録音録画技術が発達したとしても「感動を含めて残しておけない」というのはなんだか残念なことです。
だからこそ、生きてる限り、ねえやんのライブに通い続けますね。
今回カバーした「Smile」の原曲のご紹介。
チャーリー・チャップリンの映像とともに、Nat King Coleの「Smile」。