2011 ACOUSTIC LIVE 茨城 つくばノバホール
安藤裕子 2011 ACOUSTIC LIVE 茨城 つくばノバホール観覧してきました。
妊娠報道後初めて公に登場するアコースティックライブということもあり、観客はもの静かで、どことなく場内には緊張感のある空気が漂っていました。
安藤裕子ねえやん舞台登場の際、皆さんすぐに気付いたようで。 「わっ」、と短い驚きの声が上がりました。
着ている白いフワフワのワンピースのお腹がわずかに大きくなってる!
それに、以前より心持ふっくらされたようで、すっかりもう幸せなお母さんの表情でした。
星とワルツ
この上ないやさしい歌声。 今のねえやんだからこその母性にあふれたレアな歌声なのかも。
中止になったライブを楽しみにされていた方には申し訳なかった。 体調も崩していたし、今日ここに来れるか不安だった…
無事子どもが生まれてくるまでは、人に話したりするつもりはなかったけれど、この子自身の人生のためでもあるし、この子のお父さんの人生にも関わることだから…
赤ちゃんというのは、生まれてきてくれるまで、儚くて弱い生き物だから、自分が表に立つことによって、不安な思いにさせてしまわないように、これからも多くを語っていくことはしないと思う… と。
お腹の中にいる時だけの「オナカネーム」をつけていて、 (レキシの「レキシネーム」みたいにね) その名は「コドちゃん」。
「まだコドは素人だから、自分とコドとダブル山本の4人でゆっくり歌うことを許してください。」
ドラマチックレコード
アコースティックバージョンはいいですね、これですでに涙した人もいたみたい。
TEXAS
この曲でさらに泣いた人が増えた模様。 楽しそうなメロディーにせつない歌詞はツボに入るんですよね。
今年に入って身の回りで物事がいろいろ動いたと。
お腹の子どものこと、地震のこと…
地震のとき、いつもは面倒くさくて買い物には行きたがらないねえやんだけれども、その時はたまたまお母さんとお婆ちゃんと一緒にイトーヨーカドーに行っていたという。 お婆ちゃんは地震が起こったとき、顔面蒼白になってすごく怖がり、以降体調を崩し、腸閉塞をおこして入院して、お腹を開いたらガンがすでに広がっていたらしい。
「ここで負けるわけにはいきません」と大正生まれらしく気丈に振る舞っていたそうですが、余震があるたびに症状が悪化していき、食事もとれなくなり亡くなってしまったそうです。
「明日(6/5)が四十九日の法要」なので、亡くなる際にずっと聴いていた「のうぜんかつら」を歌って自分なりの法要をしたいと。
のうぜんかつら (リプライズ)
祖母への供養として歌ったこの「のうぜんかつら (リプライズ)」は私がこれまでにライブで聴いた中で一番ハートに届きました。
お婆さんにもこの曲はちゃんと届いたはず。 きっとお婆さんの魂は旦那さんのもとへ行けたと思います。
たとえば君に嘘をついた
とても伸びやかでやさしい歌声でした。
安藤裕子ねえやんは、物心のつく頃、自分の所在がないような感覚があり、そのために、ものづくりをしたり、こうして歌を歌っているのだけれど、でも、今から思えばあの頃は平和で幸せだったんだなと思う。
人が生まれて死んでいく中でいろんなお別れを向かえつつ、それでも明日を生きていくのだと。
はじまりの唄
ツアーグッズの紹介でジャネイルヤングさん登場。
エジーさんに、「今日、そのパンツで出るの?」と言われ、
ヤングさん、「なんか文句あるんですかー! 文句あるなら衣装買って下さい!」
と、もめていたとバラすねえやん。
Tシャツのサイを描いたことに意味はなく、「サイ、カッケー!」って描いただけ。 そして、サイの英語綴り「RHINO」(ライノー)を書こうとして、「H」を書き忘れていて、「これじゃRINO(リノ)じゃん」、ということで、このサイの名前はRINO(リノ)ちゃんになったそうです。
リクエストコーナーは、入場の際にもらったチラシにねえやんのサインがこっそり書かれたものがあり、それをもっている人にリクエスト権利があり、観客約1000人を代表してもらいリクエストを受けると。
後方で手を振る女性。 しかし、なかなかすぐにリクエストが出ないので、ねえやん、
「もしかして、私の曲をまったく知らないで友達に連れられて来たというならば、その友達でもいいですよ」
会場、一斉に笑う。
すると、「あなたと私にできる事」のリクエスト。
ねえやん「あーなるほどね」。 会場も皆「あ~、やっぱりきた」といった雰囲気。
「あなたと私にできる事」
なんか、すごい久しぶりに生で聴いたような気がする。
ジ・アザー・サイド・オブ・ライフ
もっさんのピアノが心地よいなぁ。
Woman ~Wの悲劇より~
うわ~、とうとうキタ! 3年半以上かかっての願望達成! ようやくライブで聴けたよ。
繊細さと伸びやかさが相まっていて素晴らしかった。
すこしエコーが入っていたようで、青いスポットライトも入り、とても幻想的な雰囲気。
どうして、もっと早く歌ってくれなかったのだろう。 カバー曲ということもあってなにか大人の事情でもあったのだろうか。
夜と星の足跡 3つの提示
前曲に引き続いて、幻想的な夜空に歌い上げるような選曲。 満天の星空の下にねえやんの祈る姿が見えるよう。 横浜の関内ホールの時よりは、少し抑えめだったけれど、それでもアウトロのねえやんの叫びには鳥肌が立ちました。
ワールズエンド・スーパーノヴァ
ねえやんの硬質な声色もカッコイイよね。 前半の錯綜感からアウトロの疾走感に変化するこのアレンジは素晴らしい。
地平線まで
この曲を作って行く中で、震災が起こり、祖母が急逝したりと、お別れの曲になってしまったと。
このチャリティCD、横浜関内ホールで私は既に購入済みなのですが、会場でいつも以上にまじめな感じでエジーさん、アンディーさんらが立って販売していたから、その場でエジーさんからまた買っちゃいました。
今回は長く歌えないとのことでアンコールはなしとねえやん自身から伝えられ、温かい拍手に包まれて会場を後にするねえやん。
ライブ中、体に負担の掛からないように終始座ったまま歌い、お腹には黒い薄手のケットのような布を掛けてお腹をさするような仕草もしていました。
全体に声量は本来の70%ぐらいに抑え目で、唄い方を工夫されているような印象でしたが、ライブ後半になるにつれ、自然と従来の歌い方に戻って行くように伸びやかに歌ってくれました。 そして、やさしい歌はいつも以上にやさしく。
私は、念願だった「Woman ~Wの悲劇より~」を聴けたことが一番の収穫でしたが、なによりもこのライブ自体が中止になることなく無事に開催されたこと、安藤裕子ねえやんが元気で幸せそうだったことに心からほっとしました。
残すは、 東京国際フォーラム ホールC のみ。 やわらかな歌声に酔いましょう。
大会場であるホールAの方は被災してしばらく使えなかったようですが、6月3日より再開したそうです。 来年やるかどうかはわかりませんが、ねえやん出産後のバンドライブでは再び利用されることでしょう。