秋の大演奏会 WOWOW ミュージックスタイルJAPAN

WOWOWライブで「ミュージックスタイルJAPAN 安藤裕子」と題して、2012年11月9日にNHKホールにて行われた「安藤裕子 秋の大演奏会」のライブ映像と、安藤裕子本人へのインタビュー映像を交えた構成の番組が放映されました。

「来年10周年だから、その集大成みたいなことをやれたらいいよね。これまで関わってきたミュージシャン達と一夜限りのお祭りのようなものが出来たらいいな」ってことで企画された「安藤裕子 秋の大演奏会」。

実際のライブの曲目数の2/3程度ですし、ほとんどのMCもカットされている、”ライブのダイジェスト版”のようなものではありますが、HD映像の安藤裕子ライブというのもそれほどないので、貴重な映像でもあります。 また、ダイジェスト版とはいえ、1曲ごとにちゃんとフル演奏で聴かせてくれています。

『”I” novel.』
1曲目は実際のライブ通りでした。 
曲冒頭のねえやんの声の伸びが素晴らしい。 この曲、明るい”はじまる感”がいいんだよね。

今回のライブはカメラクルーが最前列を陣取っているということもあり、比較的前の座席だった私からでも、ねえやんを間近に見るというわけにはいかなかったから、カメラによるズームアップで衣装の細かいところや、舞台用のメイクがどんな風になっているか、ねえやん自身がどんな表情をしていたかがこの番組によってはじめて判明するということも多かったです。

また番組の編集方針として、伴奏楽器の音量は控えめに、ボーカルメインに調整されているようで、実際のライブの時のような臨場感ある音響には程遠く、全体的にくぐもった音のように感じられます。
けれどこのことにより、ねえやんの歌声が伴奏楽器に少しも掻き消されることなくよく聞きとれて、これはこれでいいかなと思いました。

『TEXAS』
ああ、やっぱり曲目全部やってくれるわけじゃないんだ… まあ、放送時間が1時間半弱だから仕方ないけど。
実際のライブではこの曲の前に『パラレル』と『水色の調べ』が入ります。
アウトロで「愛を込めて笑おうよ」と繰り返しているのが印象的ですね。
歌い終わった直後の照れ隠しの悪戯っぽい流し目がかわいすぎて、この人ずるい(笑)

[インタビュー内容]
「東京一本限りだから、来る人もとても限られた人間というか… 毎度のように来てくれているコアなファンの方たちも多いだろうし、そういう人たちが来ても納得が出来て、初めてくる人でも安藤裕子という音楽世界みたいなものがわかるようなライブにしなきゃいけないし、そこにしっくりくるものが最初なかなか浮かばなくて結構いろいろ、あーでもないこーでもないというやり取りはやりました。」
「正直な話をしてしまうと、前半、私相当緊張しているので、リハに入るぐらいから寝れなくなって、舞台前とか目が細っそくなっちゃって、目が開かない感じで… その緊張感が取れたのが、ちょうど『黒い車』始まるぐらいだから、私のおすすめはそこのへんぐらいからです(笑)」

歌に集中するというか、楽器と混ざるというか、その音像、音のうねりみたいなものの波に…サーフィン!みたいな感じで、「おっ、のれた!」みたいな感じになると、あんまりこう意識しないでも歌が歌いやすくなったりとか、で、逆に意識とかがその波から外れちゃうと、どこか無理やり歌のメロディーを自分の体に作ろうとして、体がぎゅっと固まっちゃったりとか、声が出にくかったりとかしちゃうっていうか…

『黒い車』
あぁ、『さみしがり屋の言葉達』が飛ばされてしまった… 残念。
『黒い車』はやっぱりスカパラのホーン隊が最高。大人の雰囲気いい!
欣ちゃんのドラム、もっさんのピアノ、タカシくんのギター、○○さんのベース
一流のアーティストが一体となって安藤裕子を全力で支えます。

『エルロイ』
かっこえぇよ、ねえやん。 今度はホーンの代わりにストリングス隊が入って、また別の大人感。
間奏前の拍手ミスの音はきれいに消されていました。

[インタビュー内容]
「普段はCDどおりには出来ないバンド編成で大概やってるんで、CDじゃない答えを探してバンドの音作りをしていくところが多々あるんですよ。だけど今回はせっかく再現出来る曲があったので、無理やりライブの為の答えを探すというよりは、CDでやれたことを探すっていう楽しみもあって、だから『黒い車』とかCD通りにやれた感じがなかったので、それが出来たのが…まあCD以上のことはやれたんですけど、楽しかったですねぇ。」
(インタビュー中の「なんか」という言葉が多すぎたので全省略しています。 あしからず)

『Lost child,』
やったぁー!この曲は外されなかった。 観客席にいた時のことを思い出してまた泣けてきちゃいました。
ストリングスの響きが心揺さぶる…

関係ないけど、ねえやんは本当に白くてきれいな肌してるなぁ…

『隣人に光が差すとき』
うわぁ、『サリー』、『蒔かれた種について』、『六月十三日、強い雨。』の三曲が飛ばされたよぉ。
曲の最後、ねえやんの涙があれほど頬を伝っていたとは知りませんでした。
実際のライブ中「あれっ?」と思うことは確かにあったのですが、最後の方は照明が抑えられていたこともあり、あれほどだとは気づきませんでした。
この曲については、安藤裕子の歌う動機の原点ということもあり、思い入れがもっとも深い曲ですので、それをこんな大きな舞台で歌うことが出来たということに、こみ上げる感情を抑えきれなくなったのでしょうね。

[インタビュー内容]
ホーンとの共演について、、、
「豪華(笑)、自分の舞台には普段そういう人たちがいないから、舞台上で立ちながらけっこう横を見て、
『ぅわ、豪華!』 って思いながらお客さんみたいな気持ちで見ちゃいました。」

「欣ちゃんと川上さんはレコーディングで何曲かお世話になったりしていて、ライブはきっと楽しいんじゃないかっていう予感があったんですけど… スカパラはみんな忙しいから、きっとこのリハの日数じゃ形にならないんじゃないかと思ってどきどきしてたんですけど、入って一回やってみましょうって曲それぞれ演奏しだしたら一気に曲がぐぅって回る感じに形にちゃんとなるというか、それはライブの人たちなんだなっていう感じがしましたけど。」

『輝かしき日々』
ライブにおけるねえやんの歌唱の一つのピークである絶叫ですが、夏のスピッツ主催のライブイベント「新木場サンセット2012」での披露時のノリと勢いに任せての絶叫時に比べ、今回はワンマンライブという緊張のためか、やや乗り切れずに無理やり感も無きにしも非ずといった感じが正直ありましたが、それよりもねえやんの喉が潰れやしないかの方が心配で気になっちゃいました。

『鬼』
この曲、まさにエンディング近くにふさわしい曲なんですが、実際ライブの後半にもってくるのは体力的に辛いんだろうな、という印象ですね。

[インタビュー内容]
弦楽器との共演について、、、
「体感的には弦が入ることがすごく気持ちが良かったです。曲のここにバンドでは足りてない、ここに本当はあったはずの旋律っていうものをレコーディングで知ってるから、それが横で流れてる感覚はすごく気持ちよくて、弦はずっとやりたかったんで嬉しかったです。」

「私しゃべるの苦手だから、誰かしゃべってくんない?って言ってたら、欣ちゃんがしゃべってくれてたから良かったって思ってて。」

衣装について、、、
「最初は全然違う感じにしようと思ってたんですよ。みんなもジャケットだろうしと思って、大人っぽいフェミニンな感じのものを中にしゃらっと、外は男性向けのダボッっとしたジャケットを羽織ろうかと思っていたんだけど、だんだん衣装が形になっていったら、アラビアンナイトみたいな感じになってきて、そのままアラビアンナイトで、髪もアクビちゃんみたいな風にしたら、アラビア風になりました。」

『海原の月』
うーん、『The Still Steel Down』が飛ばされました。残念。
背景が満天の夜空の中で、ヴァイオリンとチェロの重厚な響きがとても印象的。今回のストリングス参加はこの曲のためにあったといっても過言ではないのでは? 奥の方であまり目立っていなかったけれど、エレクトリック・アップライト・ベースらしきものも川上さんにより演奏されていました。

『聖者の行進』
ライブのラストは定番の聖者。
こんなに静かに始まって激しく終わる曲って… その振り幅にあらためてすごいなぁと。
その歌唱も、ファルセットの繊細さから張り裂けるほどの絶叫までが切れ目なく同居する。
この曲を生み出した安藤裕子は凄まじい才能だ。

終盤に、なぜか観客席にお尻を向けたままずっと激しくトランス状態で揺れ続けるねえやんに、
「ねえやん、お客さんはこっちこっち!」って思わず教えてあげたくなっちゃいましたが(笑)

『林檎殺人事件』
いよいよ池ちゃん登場。 アンコール時のねえやんの衣装、さきほどインタビュー中で語っていた元々の衣装というのが、もしかするとこれに当たるのでしょうか? 学ラン風だと思っていましたが、よくみると超ロングの変わったジャケットだし。 いや、それよりもよく見なきゃ分からなかったのが池ちゃんのこの衣装でしょ、なにこの紋付羽織袴風Tシャツは!(笑)

[インタビュー内容]
「池ちゃんがね、アンコールまで待たされるという非礼にもかかわらず、あんなに一緒に盛り上げてくれて… 結構、私がずっと長年望んでいた姿かもしれない。」

「歌うことが大好きだけど、人前に立つのが怖い怖いというのがずっと抜けなくて、それがやっぱり大きく負担になっていた時期が近年けっこう続いていて、体調も壊したりもあったから、ほんとに怖い部分もあったんだけど、でもそうやって私じゃない人間がちゃんとお客さんを喜ばせてくれるっていうことがその日は出来たから、池ちゃんにはほんとに感謝しなきゃいけなくて、私もお客さんの気持ちで楽しめるというか、彼は本当にエンターテイナーだから、”わぁーおもしろい人が横にいるー”みたいな気持ちで楽しめました。」

『ぼくらが旅に出る理由』という曲について、、、
「気持ちを入れるというのが実はすごく難しい曲で、すごく良い曲だと思ってるんだけど、自分が歌うにはそこまでさわやかに”旅する”、”旅立っていくこと”を私は笑顔で歌うことがなかなか出来ない曲で、難しいと本当は思っているんだけど、ああいう舞台でああやってたくさんの笑顔の後にみんなで歌えたということで、やっとレコーディングでも出来なかった歌が歌えているような気がしましたね。」

演奏会を終えて、、、
「楽しかったからまたやりたいねって話になって、『じゃあ、スカパラのツアーを追っかけてやっちゃう?』などと打ち上げの会場で言ってましたけど(笑)」

『ぼくらが旅に出る理由』
途中、感極まってしまい、涙をぐっと堪えて歌っていましたね。
この曲はずっと満面の笑顔で歌っていたのばかり思っていたもんですから、少々驚きました。
そんな様子のねえやんを察してか、池ちゃんがさりげなくリードしていたようにみえました。

今回、WOWOWの撮影が入っていたということも、また、みんなで楽しむ演奏会という趣旨もあってか、全体的にねえやんの歌い方がセーブされている感がありました。 あまり「はみ出さない」というか、感情の発露を抑えているような… けれど、その分、丁寧な歌い方になっていて、インタビューにもあったように、「CDでやれること」の完成度をライブで実現しているような、そんな印象を持ちました。

さて、来年2月のフルオーケストラライブはいったいどんなことになるのでしょう? 本当に楽しみです。
できれば記念に映像として残してほしいな。
今度は落ち着きある絵になるようにクレーンカメラや移動カメラはなしでね。

コメント

ライブ放送のレポートありがとうございました。
いつものように、はにかんだねえやんの表情がまた良いですね。

2012年12月30日 15:42 |  ぐりーん

ぐりーんさん、コメントありがとうございます。
かわいらしい恋愛の曲は、ちょっと照れくさいところがあるみたいですね。
『あなたと私にできる事』についても、「自分がこういう曲を作れるとは思わなかった」などと言っていたぐらいですからね。

2013年1月3日 11:21 |  管理人トロル

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