SLUSH-PILE. 「共感百景」 観覧感想
6月15日、SLUSH-PILE.(スラッシュ-パイル.)開催の”句を詠むライブ”「共感百景」に行ってきました。 下北沢は近くということもあってラフな気分で観覧。
下北は、街全体が若者文化のおしゃれな雰囲気と、昔ながらの庶民的な猥雑さとを併せ持っており、今は薄暗いシャッター街となり消えかかった戦後の闇市の名残りもあったりする、不思議な魅力をもった街。
70年代から前衛的・アングラ的な音楽・演劇等のサブカルチャー発信地としての役目を果たし、安藤裕子もインディーズ時代には、ギター片手に下北のライブハウスで歌っていたという。 また、下北は古着の街でもありますが、ねえやんの古着趣味はこの頃からでしょうか?
近年、小田急線の駅が地下化したりと、この街の再開発は急激に加速していっており、いずれ、東京のどこにでもあるような垢抜けた街に変わっていってしまうんだろうな、と私的には少し残念な気もしています。
いかにも昭和レトロな、鈴なり横丁の演劇場「ザ・スズナリ」近くにある「北沢タウンホール」が今回のライブの舞台です。
開演とともに劇団ひとりさんが登場。 テレビで見る印象よりもスラッと背の高い、ふつうにイケメンのお兄さんって感じでした。
● 一局目のお題は「深夜」。
光浦靖子さんも解答者兼、当番制の解説サポートとして参上。
解答者の解答ではないですが、東直子特別顧問の、
「夜中のカラオケでテンションが上がると森田童子を歌う」
というのは最高のつっこみどころでした。
一局目優秀共感詩:
「もう一度見たい、武富士のダンスCM」
(うろ覚えなのはご容赦)
● 二局目のお題は「田舎」。
ここから安藤裕子が参加。
発表前のとなりの解答色紙を見て「これ、おもしろい!」と、一人ウケまくるねえやん。
安藤裕子の解答の番になっても、ねえやんは発表の手順を理解していなくて、解答発表後に自身で解答を読み上げなきゃいけないのに、それをしないまま、会場を数秒間の沈黙の底に陥れる。
(これがねえやんパワーだ!)
その解答は、
「老後は二人で、なんておっしゃいますが、若い時じゃないと無理ですから!」 (…はぁ?)
観客がじわじわ笑い出すと、ねえやん、自分の解答が恥ずかしくなったのか、ひとりで爆笑しまくり、いつも通り、笑いすぎて泣き出す始末。
…と思いきや、ねえやんが泣き笑いしていたのは、自分の解答についてではなく、なんと、さっきチラ見してしまったとなりの未発表の解答色紙で思い出し笑いをしていたという驚愕の事実が発覚!
「えぇーっ!!」 かなり斜め上いってる初登場ゲスト安藤裕子にどよめく場内。
解答の自己解説は、「いつも自分が田舎に住みたいなぁと言っているけど、歳を取り、体力が落ちて、車を運転しなきゃどこへもいけないような人間が、田舎なんか住めるわきゃねぇだろ!」最後は自ら吹き出し笑いをして、場内を大爆笑に無理やり引きずり込みます。
(これこそがねえやんパワーだ!)
「女子中学生が、みんなイモトアヤコに見える」 これがねえやんが泣いてウケた共感詩。
ねえやんの二周目の答え。
「こちらは郷土料理なんですよ、と言われたら断れないなぁ」 会場は再びの数秒の沈黙。
(手順覚えて!)
次の解答者の答え「肥溜めの数なら、都会のスタバの数にも負けないぞ」には反応しなかったねえやん。
ねえやんによると、「そんなに肥溜めってあるかな? よく洋服の青山は見かけるなと思います」と。
二局目優秀共感詩:
「きみまろばっかり来る」
ビッグなアーティストやタレントさんはめったに来ないけど、地方への営業活動が盛んな綾小路きみまろは毎年のように来るというネタ。
● 三局目のお題は:「写真」
三局目優秀共感詩:
「『次、変顔ねー』、コンプレックスの無い女達の中での真顔、一石投じる」
光浦靖子さんの会心の一撃!!
● 四局目のお題は:「老い」
お題とは関係ありませんが、劇団ひとりさんらのトークの流れの中で、以下のようなものがありました。
「下北ってめんどくさい人が多いんですよ。 女の子とかも”趣味はカメラです”みたいな。 古いカメラとかトイカメラみたいなのが好きな子とかね。」
「一眼レフ握って宮崎あおい気取りの、白黒モードとかで撮ってブラブラしてたり…」
安藤裕子の趣味知ってて、わざと言ってんのかこいつ?(怒)と勘繰りたくなりましたよ(笑)
この時の、檀上の安藤裕子ねえやんの表情。 ものすごく何か言いたげで、でもためらって黙ったままの、なんとも気まずく浮かんだ苦笑い。 しばらく忘れられません…
ねえやんの一周目の解答
「あれだよ、あれ、あ、はいはい、あれねあれ。」
(学習しないねえやん、何度でも沈黙の間いきますよ~)
それにしても、ねえやん、自分自身の体験を語っているなぁ。 そんなに老化しているのか。
劇団ひとりさんの上島竜兵ネタで、『元祖!でぶや』の番組中、「まいう~」っていうところを、「うまい~」とただ普通に伸ばしただけだったというオチにウケまくるねえやん。
「ふだんから笑い上戸なんですか?」と聞かれても、爆笑モードに入ってしまったねえやんはただ呻くのみ(笑)
ねえやんの二周目の解答
「最近、ラーメンにチャーシュー増しがきつくなってきた」
(これ詩なのか?)
四局目優秀共感詩:
「最近、爆笑しながら走ってないなぁ~」
本日のゲストによる各々の宣伝告知のコーナーでは、ねえやんは「ちょっと遠いんですけど、10月にアルバム出します、遠いんですけど…」。
☆☆ 最優秀共感賞 ☆☆ の発表:
「『次、変顔ねー』、コンプレックスの無い女達の中での真顔、一石投じる」
光浦さんならではということで評価されてました(笑)
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ここではもちろん一切紹介していませんが、放送コードはみ出しのネタもかなりあって、こういうのもライブならではですね(笑) 引いてる女の人も結構いるようでしたが。
光浦靖子さんがいい味出してましたね。 この人、コメントも振りも面白く、淡々とした女性らしいしゃべり方で聞きやすくて、テレビで見るよりずっとかわいらしく頭の良い方だなと思わせる好印象の人でした。 総じてみればライブの1/3は、劇団ひとりが司会の「光浦靖子ショー」を観ているような感覚でしたね。
それに対して、安藤裕子ねえやんの絶妙なる”場違い感”。 ここに居ていいんだけど、でもあえてなぜ?的な。 ねえやんの相変わらずのマイペース過ぎる空気の読まなさ加減とか、本人はおもしろそうだと思って参加したのだろうけど、とくに積極的にやる気があるようにも見えず(本当はいっぱいいっぱいなんでしょうけど)、あのラジオ落語のようなノリにもなりきれず、普通にテレビ番組にゲスト出演させてもらっているといった感じでした。
ねえやんの天然反応や、周りのフォローやいじりもあって、ヒヤヒヤながらも結果としてはおもしろかったけど、でも「なんで呼ばれたんだろ?」というクエスチョンは最後まで拭えないまま、というのが観ている側の正直な感想でした。 宣伝告知の内容の遠さからして、このためというわけでもなさそうですし…
ノリとテンポの良さが求められる地上波テレビ番組に、安藤裕子が積極的に出演しない?させない?のは仕方のないことでしょうね。 いや、もしかすると、再チャレンジとして、これからはもっと積極的にテレビ出演をしていく方針を考えていて、いきなりはあれだから、慣らしのつもりでこのイベントに参加してみたとか。 だとするとこれは判断難しいですねぇ…