音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2014
鎌倉の由比ヶ浜海岸 OTODAMA SEA STUDIO 2014 の会場で8/5に開催された「安藤裕子×スキマスイッチ ~10周年スペシャルジョイント~」はむちゃくちゃ暑くて熱いライブだったな~
と、秋めいてきた今日この頃ですが、1カ月前のライブを振り返るようにレビューしてみます。
真夏のビーチの上にそのまま鉄骨と木材で組んだライブ小屋。 中は当然、熱気と湿気のサウナ状態。足元は砂浜の砂地そのままで、大胆な女の子はビキニ水着のままで参戦というちょっと他のライブでは見られない光景。 でもこの暑さだと正解かも。
入口では、熱中症対策として「OTODAMA WATER」なるミネラルウオーター500mlペットボトルが無料配布される。
桐嶋ノドカさんがオープニングアーティストとして登場!
色白でハーフっぽい顔立ちの小柄な女の子。 登場と同時に周囲では「誰?」という声が聞こえてくるのもそのはず、この時点でCDデビューさえしていないというピカピカの新人さんということです。
テレビ東京ドラマ「ラスト・ドクター ~監察医アキタの検死報告~」の主題歌に「Wahの歌」が決定しているとのことで、この日からiTunes Storeでも配信リリースされるとのこと。
ちなみに安藤裕子はずっと憧れの人だったそうです。
素晴らしく伸びやかで美しくかわいらしい声をしておられる、これからの活躍が期待できる大型新人さんでした。
1曲目 「ボーダーライン」
2曲目 「キミのいない世界」
3曲目 「Wahの歌」
お待ちかねの安藤裕子が登場!
長い髪を下ろして、おデコはオープン。 赤いインナーにダボッとしたデニムでおしゃれ柄が胸あたりに入ったサロペット。 肩から胸元の露出も大きく、白い肌は発光しているんじゃないかというぐらい眩しすぎる。 20代後半のTEXASのミュージックビデオの頃のねえやんを彷彿させる。
演奏はいつも通りのダブル山本。
1曲目 「のうぜんかつら」
名刺代わりの名曲からスタート。 アップテンポバージョンをベースのアコースティックアレンジ。 ギターが沁みます。
2曲目 「新曲」
2014アコースティックライブで聴いた、あの昭和アングラハードボイルド風の曲。 妖しさと力強さと繊細さが交わる、退廃的かつリズミカルなメロディー。
今回、安藤裕子とスキマスイッチが、お互いに相手の好きな曲を歌い合うことにしているとのこと。 「この曲むずかしいんですよ」と。
3曲目 「全力少年」 (スキマスイッチ カバー)
ピアノの前奏では誰も何の曲かわからなかったけど、大ヒット曲『全力少年』だとわかると観客の手拍子が入り、ウウォーと盛り上がる。
すごい、オリジナルより荒々しく全力(少年)かも(笑) スキマスイッチファンが多く占める中、大絶賛でした。
安藤裕子がずるいのは、他人の曲を自らに取り込み、すっかりオリジナル曲かのように完成度を上げて別の一段高いところに昇華させてしまうところ。 これはスピッツ主催の「新木場サンセット2012」で『うめぼし』を披露した時や、くるりのカバー『ワールズエンド・スーパーノヴァ』にも感じたこと。
4曲目 「レガート」
安藤裕子の歌の上手さが引き立つ曲だと思う。 もっと正確に言えば、安藤裕子らしい歌声の強みが前面に出ている曲。
「尋常じゃない汗」だと本人も言っていたように、あんなに汗をかいているねえやん見たの初めて。 乱れた髪と光る胸元はシャワーを浴びたかのよう。
5曲目 「世界をかえるつもりはない」
安藤裕子が今歌う曲の中でも、過去にさかのぼっても、歌声はもちろん曲そのものがもっとも力強い曲ですね。
一般受けするかどうか関係なく、この真面目さが安藤裕子らしさでもあります。
私の観戦位置がほぼセンターだったので、「あ・い・してます」の歌詞のときに、ちょうどねえやんと目があってるような感じになったので、オラ、ドキドキがとまらない(笑)
6曲目 「サイハテ」
やはりこの曲が最後にきました。 最近のアルバムは、ライブで絶対に盛り上がるカッコいい曲を入れてきますね。
後半、ピアノがだんだんと最高潮に向かって激しさを増していく快感に、この尋常じゃない密集高温多湿の中でも鳥肌が立つようです。
ここでいったん安藤裕子の演目は終了。
会場スタッフから、OTODAMA WATER のおかわりが観客に配られる。
そしていよいよこの日の主役、スキマスイッチ登場!
盛り上がり方から判断するに、会場のファンの9割は彼らが一番のお目当てだったかもしれない。(ちょっとしたアウェー感…)
でもなぜか、安藤裕子の演奏に引き続き、ギターの山本タカシくんが演奏者の中にいる(笑)
1曲目 「ユリーカ」
2曲目 「ガラナ」
3曲目 「スカーレット」
毎年出演しているスキマスイッチにとって、今年はこれでも涼しいそうです。
ボーカルの大橋卓弥さん曰く、今回安藤裕子と共演出来ることをものすごく楽しみにしていたと。 なんと、安藤裕子とはデビューした年だけではなく、日にちまでも一緒のまったくの同期だという。 そしてなにより安藤裕子のアルバムは全部持っているほどの大ファンだとのこと。
昔、テレビで安藤裕子と一緒になったときに、楽屋で名刺代わりのCD交換をし(既に持っていたので2枚目となった)、ファンだったのでサインをしてもらったそうです。 また違う人のところ、たしか後藤真希さんだったかのところに行ってCD交換をしたそうです。
また、1年後ぐらいのときに安藤裕子に会ったときに、「あのとき、後藤真希さんにもサインもらってましたよねぇ?」と言われたとのこと。(でました!安藤裕子の女の面) 大橋さん「ぜったいもらってない!」(笑)
安藤裕子の方から「お互いの曲を一曲ずつやりませんか」というお誘いを受けてやることになったらしい。 さっきの安藤裕子による『全力少年』に感動し、嬉しく、そして「あんないい曲だったけなぁ」と悔しかったと。(スピッツの時も同じようなこと言われてましたね)
そしてスキマスイッチも安藤裕子の曲で、昔から今に至るまでよく聴く曲で、すごく好きな曲「眠りの家」をやるとのこと。 実は、この曲に影響を受けて作った曲もあるという。 何の曲であるかは言えないけど(笑)
4曲目 「眠りの家」 (安藤裕子 カバー)
スキマらしいアレンジを加えながらも、この曲に対する愛がビシビシ伝わってくる、スキマスイッチバージョンの「眠りの家」。
もっとも安藤裕子らしいといえる曲を選曲したことに、アーティスト安藤裕子のディープファンであることがよくわかります。
後半がジャズ風になるのがまた良くて、幼さを感じるオリジナルに対してすっかり大人テイストに仕上がっており、これはこれでかなり良かった。
スキマファンなら、影響を受けた曲がなんの曲かわかったのではないでしょうか。
「安藤さんに『全力』やられてしまったので、やろうかどうか迷っているけど、やらなきゃあと一曲で帰ろうと思ってるけど…」
ブーイングの嵐(笑)
「『全力』やる?、だってあれに勝てんぞ?(勝てないぞ) カバーの方がいいパターンだね」と謙遜する大橋さん(笑)
「じゃあ、安藤さん呼んでみる?」と、実に自然ですがやはりこの進行のためのフリだったようです。
(さすがにライブ慣れしてるな。こういう面でもねえやん完敗だな…泣)
安藤裕子再登場!
「あのね、中島美嘉ちゃんだよ、サインもらったの」 さっきの誤解の話のつづきをするねえやん。
「中島美嘉さんにはサインもらってないですよ、ボク!」 「え~~!!」と会場大ブーイング。
そこへ「ガガーン!!」と衝撃の事実が発覚したかのように、常田真太郎さんがキーボードで効果音をつけると、他の演奏者もそれにつられて効果音をつける。 会場大爆笑。
誤解を解こうとしたのに、また新たな疑惑へと発展してしまいましたとさ。
「みんな(観客)そろそろ声出したい? いつもこの曲みんなで声だしてワイワイやる曲なんですけど…」
「(スキマスイッチの)ライブ映像で、サビをまったく歌ってないんですけど」とねえやん。
「サビがサビでなくなってるんですよ。 お客さんとの距離が近くなるような、レクリエーション的なところがあって…」
5曲目 「全力少年」
イントロから観客との一体感がすごかった。
6曲目 「Ah Yeas!!」
<アンコール>
みなさん、Tシャツが音魂セーラー服柄になって登場。 ねえやんもサロペットの中のTシャツがセーラー服柄に変わってる。
1曲目 「林檎殺人事件」
スキマスイッチと安藤裕子の夢の共演でこの曲をやるとは。 セーラー柄Tシャツ着たもっさんがパイプ咥えてピアニカ吹いているのが妙にかわいかった。
このあと、再登場の桐嶋ノドカ、キマグレンのISEKIを呼ぶ。
ISEKIによると、安藤裕子が好きで、7年口説いてやっとライブ来てもらえることができたと。
そして会場にお忍びで来ていた大塚愛とsaku saku(テレビ神奈川)のMCであるトミタ栞をステージに引っ張り出して一緒にやろうよということに。
大塚愛は、安藤裕子のことを「ねえさん」と関西弁なまりで呼んでいました。(安藤裕子のライブでは、たまにお花頂いてるぐらいなので仲いいみたいですね)
2曲目 「楽園ベイベー」 (RIP SLYME カバー)
この熱い会場にピッタリの選曲です。 ねえやんのラップは初めて聴きました。 なかなか様になってましたよ(笑)
それにしても暑かった! ねえやんも言ってましたけど、なんで真夏のビーチに黒い箱建てたかな? (笑)
ステージと観客の距離が近いこともあって、アーティストも観客も一緒にだくだくの汗まみれで、さらに音的にもみんなが一つになった後半はそれがなんとも心地よく感じられるから不思議なもんです。
“We Love Music !!”