ザンジバルナイト @ 新木場 STUDIO COAST

2014/10/12に、新木場 STUDIO COAST で開催されたザンジバルナイトに行ってみました。
総合司会がリリー・フランキーさんとミッツ・マングローブさんで、豪華ゲストによる自選の昭和歌謡曲のカヴァーと持ち歌各一曲ずつ(原則として)をお披露目して楽しむという懐かしのスタイルの歌謡ショーでした。
また、このショーはWOWOWで2014/12/7と2015/1/1に放送されるそうです。

ザンジバルナイト @ 新木場 STUDIO COAST

立ち見で番号が良くて舞台前最前列を陣取れたのはいいのですが、近すぎて出演者からの視線や舞台袖からのテレビカメラをかわすことに気を取られてしまうほどで、実際、ふたつ隣ぐらいの人がミッツ・マングローブさんにいじられてましたし、ヒヤヒヤでした。

昭和時代の「夜のヒットスタジオ」のイメージだそうで、井上順ことリリー・フランキー、芳村真理ことミッツ・マングローブとの紹介からはじまりました。
言われてみれば、お二方それぞれの格好がそれっぽくて、リリーさんは黒のスーツに蝶ネクタイ、ミッツさんは高い帽子に肩パッド入ってそうな大げさな感じのきらびやかな衣装でした。

往年の昭和歌番組を模して、時には「ザ・ベストテン」だったり「MUSIC FAIR」風だったり、舞台の脇にもう一つステージが設けられており、歌い終わった歌い手を呼び寄せて会話するというスタイルをとり、話し終わると二列になった雛壇のような長椅子でステージ終了まで酒を飲みながらそこに座り続けるという(笑)

トップバッターは、増子直純(怒髪天)による『おふくろさん(森進一)』
「エモい(笑)」力の入った濁声でかなり似ていて盛り上がりました。 MCでは、この曲は本家が今はアレな感じでなかなか歌うことが難しいとか(笑)

次に持ち歌『歩きつづけるかぎり』を披露。


歩きつづけるかぎり

そして今日一番に会いたかった清水ミチコの登場。 ミッちゃんはテレビで見たまんまの人だった(笑)
メドレーで以下3曲をモノマネでやってくれました。
『恋の季節(ピンキーとキラーズ)』・『ブルーライトヨコハマ(いしだあゆみ)』・『赤い風船(浅田美代子)』
いしだあゆみの微妙な「音ズレ」っぷりとか、浅田美代子の思いっきりな「音ハズレ」っぷりを見事に再現(笑)

MCでは来年の1月2日に初の日本武道館単独公演があるそうです。 タイトルは「清水ミチコ一人武道館 ~趣味の演芸~」。
しゃべってるうちにだんだん桃井かおりになってきて、やがて瀬戸内寂聴になり、そのうち松任谷由実になってくるという憑依型モノマネメドレー(笑)
そのまま、まさかの田島貴男(オリジナル・ラブ)を呼んでのデュエットで『太陽の逃亡者(松任谷由実)』を歌う。
ミッちゃんのユーミンはユーミンそのまんまでしたが、もう田島さんは「田島さんの声だ~」と妙に感動。 あの顔とあの声です。 関根勤ばりに濃ゆい顔から大人の色気たっぷりのヌメっとしたトルコアイスのように伸び上がる歌声にしびれました。

お次は、最初は誰だかみんなわからなかったぐらい、そろりそろり挙動不審な感じで入場してきた持田香織(ELT)による『いつのまにか少女は(井上陽水)』。 本家よりも声質のせいか暗い感じがしました。

ELTとしてではなくソロとしての持ち歌の『静かな夜』はとても美しい曲でした。

昔からテレビで見ていた人でしたが、本物は初めて見ました。 先日たまたまYoutubeで持田香織を見ていたので不思議な感じがしました。 本物は顔ちっちゃい、全部ちっちゃい。 いや、目だけはおっきかったな。
司会の二人とのトーク中に、あの独特のおっさん笑いになるところが、本物感があってよかったです(笑)

急にアップテンポな曲鳴り始めたと思ったら、アメリカンポリスキャップに眉頭鼻筋メイクでキラキラ衣装の椿鬼奴が登場!
曲はいつもの『You Give Love A Bad Name(Bon Jovi)』

「世界の果てまでイッテQ!」での鬼奴よりも遠慮がなくてイキイキしてました。 ハスキーボイスながらすごく声が出ていてよかったけど、曲が終わるとかなり息切れしてました。 今年で四十二歳、あさま山荘事件の年に生まれましたと。

「早いもので最後の曲になりました」(笑)ということで、次は10年間バンド活動(金星ダイヤモンド)をしていて8年ぶりのセカンドアルバム(笑)に収録されているという。
『代官山から日吉へ行く物語』
代官山のお嬢様がバブル後に落ちぶれて転々と引っ越していくという自身の半生を曲にしたもの。

奴さんもメンバーの一員であるお笑いユニット「キュートン」のメンツがコーラスとパフォーマー?として入場。(くまだまさしは営業の仕事で不参加)
観客に振付を事前指導。


この衣装のまんまでしたね。

「昭和歌謡っていったのに、あんただけどうして洋楽なの?」と言われたそうで、
日本人にとって、ボン・ジョヴィはあの時代の歌謡曲みたいなもんだと。 ボン・ジョヴィとシンディ・ローパーは歌謡曲でいいのだとのこと。 なんか妙に納得。

こってりなのが続き、そろそろ胃がもたれはじめているところで、次はさわやかな音楽をということで、
さかいゆうの登場。

『愛燦燦(美空ひばり)』 
小椋佳による作詞作曲のこの名曲を、美空ひばりとは異なるアレンジとハイトーン・スイートボイスで、よりこの曲のもつ素晴らしさを別の角度から引き出してくれました。

『君と僕の挽歌』
どこかしら80年代の美しいポップスを彷彿させ、それにさらに磨きをかけたような、懐かしさと新鮮さと、射抜かれたようにハッとする感性の共感を覚えました。
この曲は、さかいさんより先にミュージシャンを目指していたけれども18歳で事故で亡くなってしまった親友に捧げた挽歌だそうです。 その親友が亡くなったことをきっかけに音楽の道に入ったらしいです。(あとで調べました)

この日この素晴らしいアーティストに出会えたことを感謝します。 国内では他に例がない独特のやさしいシルキーボイス、ピアノの腕、その作曲、アレンジいずれも文句なしに最高のアーティストだと思います。 インディーズ時代を経たうえでメジャーデビュー5周年ということで現在35歳、けっこう晩成タイプですが、これまで彼の存在を知らなかったことを本当に残念に思ったほどです。 これから確実にもっともっと注目が集まることでしょう。


君と僕の挽歌


薔薇とローズ (eKワゴンのCMでちょっと気になっていた方もいるのではないでしょうか。)

ルックスがちっちゃくて若い仲本工事(笑)なので、やっぱりというか、歌い終わってから、でっかいミッツさんに「かわいらしい」といろいろいじられていました。

原田郁子の登場

『青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている』
クラムボンのメンバーでありますが、これはソロ活動での一曲。
童話のようにやさしく描かれる夜空から、やがて闇の深淵へ堕ちていくような表現は、どこか安藤裕子の世界観に通じるものを感じさせ、とても惹かれるものがありました。


青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている

ここでさっきまで袖舞台でしゃべっていたはずの司会のリリー・フランキーがなぜか登場。

『昭和枯れすすき(さくらと一郎)』
原田郁子とリリー・フランキーとのデュエット。
デュエットしようということになり、「貧乏で暗い歌がいい」ということで選曲したという(笑)
口上から入ってから歌いだすのも再現したいということで、毎年このイベントに参加しているというウクレレえいじさんにそれをやってもらうということに。

リリー・フランキーの大人の美声が沁みます。 バックバンドの演奏の昭和テイストの成りきり感もよかった。

MC中、清水ミチコがジャスコの営業(笑)のために早退したとのお知らせ! なんと残念。 ねえやんとの絡みなしか。

森山直太朗の登場。

『シクラメンのかほり(布施明)』
これも小椋佳が作詞作曲を手掛けた名曲。


シクラメンのかほり

MCがいちいちおもしろい。 直太朗さん、いつからこんなにおふざけキャラになったんだ(笑)
「虫いるんでやんの」と言い、MC中に何度か空中を両手で叩きながら、だんだんそれが手拍子のようになり、会場もそれに倣って手拍子になるという小技。
「虫退治を理由に会場を一つにした」として次の曲に入っていく。

『よく虫が死んでいる』
森山直太朗自身の曲なのになぜか昭和歌謡曲風になってる(笑) 歌詞が…
全身を使って踊りながらのパフォーマンス。 最後はジャンプして開脚着地! 痛そう…


よく虫が死んでいる

『シクラメンのかほり』は、直太朗的には、ものまね王座歌合戦の岩本恭生による布施明のものまねをイメージしながら歌ったという(笑)

次に、苦節30年の新人歌手として紹介され、ザ・ベストテンのアーティスト入場のテーマ曲とともに現れたのは、なぜか怒髪天でドラム担当している坂詰克彦
その出で立ちは、20年前に買ったという冠婚葬祭のスーツにネクタイの真面目なもの。
怒髪天の30周年アルバムで、特別にボーカルとして歌わせてもらうことになって出来上がった曲がムード歌謡だったため、とてもアルバムには入れられないとされ、なんと贅沢にシングルカットされたという。
『今夜も始まっているだろう』
真面目なのか、おふざけなのかよくわからないけど、歌謡曲として完成度が非常に高いことはわかります。


坂詰克彦イメージビデオ (今夜も始まっているだろう)

いよいよ安藤裕子の登場。 「ねーやん!」と声も飛び交う。
ねえやん、ブラック・スワンのバレリーナのような黒の半袖トップスにこれもまた黒のレース状フワフワミニスカート、足下も黒地にキラキラをあしらった靴。

アコギの「チャラーン」の暗いイントロ。
『世情(中島みゆき)』
力強い歌唱力で中島みゆきらしさを存分に発揮して魅せるねえやん。

『エルロイ』
こうして聴くと、この曲が歌謡曲かどうかは別として、エルロイもどこか昭和のレトロな雰囲気があるからこの選曲はありだな。
間奏ではその圧倒的な歌唱に会場が引き込まれていました。

歌い終わるとさっさとMC用サブステージに引っ込むねえやん。 え、個人的なMCは一切なし?

リリー・フランキーさん、「僕はファンで、峯田君(銀杏BOYZ)から勧められてそれから聴くようになった」と。
安藤裕子にとって中島みゆきを歌うのは初めてで、最初は中森明菜の曲をやろうと思ってたけど、それをやるなら振付まで完璧に仕上げろと言われて中途半端にはやれないなということでやめたとのこと。

出演している映画が昨日公開されたということで、「女優さんもやってるの、まぁー欲張りな女!」とミッツが皮肉っぽく絡む。

小谷美沙子の登場。
『ひこうき雲(荒井由美)』
ニューミュージックを昭和歌謡とするのはどうかなってことはさておいて、ずいぶんポップなアレンジとなった「ひこうき雲」は、これはこれでいいかも。


宮崎駿監督 『風立ちぬ』の主題歌として再注目された名曲です。

『手紙』
ほっこりして、心に沁み入る曲。 故郷の家族を思って書いた曲とのこと。


手紙

次のアーティストに行く前に、舞台そでの方から「ぅぉー! ぅをー!」というなにやら男の呻き声のようなものが聞こえる。

「誰か吐きましたねぇ」とリリーさん(笑)

峯田和伸(銀杏BOYZ)の登場。
昔懐かしの赤い陸上競技用パンツに上半身裸で歌う姿は変人を絵に描いたようだけれど、これがまた大人気。
安藤裕子が銀杏BOYZの熱狂的なファンであったことは、安藤裕子ファンなら知っていることですね。 つまり相思相愛の仲ということになるのでしょうか(笑)
しかし、銀杏BOYZは2014年現在、バンドでありながらこの峯田和伸以外、みな脱退しいなくなってしまったのです。 でもそのことを別に悲しいとは思っていないと。 一人でやっていく決意のようです。

そんな彼が選曲したのが、『17歳(南沙織)』(笑)
半裸の長髪むさい男がギター片手にしゃがれ声で力強く歌うキュートな昭和歌謡というのがなんともシュールな絵でした。
こちらは盛り上がりながらも、いつあのゆるゆるの陸上ショートパンツがずり落ちてきやしないかハラハラ。 だってこの人そういう前科がけっこうある人なんでね。


17歳

『光』
アコギ一つで沁みるゆったりバラード調の前半から、やがて力の限りに絶叫する後半、そして、曲終了後に観客に叫び暴れ狂い機材を破壊するパフォーマンスに至るまで、人間は生きていることを表現するのにこんなに幅がもてる生き物なんだなぁと感心しました。


銀杏BOYZ – 光

普段からリリーさんにはかわいがってもらっているらしく、「もっと遊んでくださいよー、ガールズバー連れていってくださいよ」なんて。
先ほども言っていたように、峯田和伸がリリーさんに安藤裕子のCDを紹介したと。
「きれいですよねー」なんて峯田が言っているのに、ねえやんすでに酒が入っているのか、雛壇で飲み食いしてとなりの人とおしゃべりしていたりして気にも留めていない(笑)

ここで、ウクレレえいじの爆笑ライブコーナー
「マニアックでごめんね、微妙でごめ~んね」のフレーズのあとにネタをやるというもの。
連続する志村喬のモノマネがツボ。 ちょっと大滝秀治にも似ていましたが。

ミッツ・マングローブ率いる星屑スキャットの登場。
キラキラ女装衣装の三人のごついオネエたち。

『コスメティック・サイレン』
なんかクセになるメロディー。 曲の間中、いちいち三人によるポージングとフォーメーションの変化があって気を取られる。 途中、フォーメーションが失敗するという人間臭いところも。


コスメティック・サイレン / 星屑スキャット

これが新宿二丁目の雰囲気かと、カウンター越しに聞くような淀みなく進むMCに感心する。

『君だけに(少年隊)』
80年代後半に大ヒットした名曲をオネエ三人で再現! 揃った指パッチン(笑)
ガタイの良さからなのか、声量あってみんな歌うまい。

マキタスポーツの登場。
最近では、NHK朝ドラ「花子とアン」で担任と校長先生を演じていたマキタスポーツさん。
場内から「スポーツ!」と連呼される(笑)

『加山雄三風ハミング(仮題)』
加山雄三っぽい曲だけど、肝心なところが全部ハミングになっていて観客はそれを想像しながら聴くこととなる。
ギター片手に加山雄三になりきりで、途中肝心なところが何度も「フフフフーン」とハミングで含みをもたせるのだが、その中身がおそらく下ネタであることを観客に勝手に想像させるというズルい戦法。
 
『浅草キッド(ビートたけし)』
やさぐれ感がカッコイイ。 当然というか、ビートたけしよりずっと美声なもんだから完全に自分のものにしちゃってる。


浅草キッド

マキタスポーツが舞台袖に引っ込んですぐに、『六本木心中(アン・ルイス)』が流れはじめ、歌いながら再び持田香織がサングラス姿で登場。
さっき出演したときの大人しい雰囲気とは真逆のイメージでギラギラしてる(笑)
そしてしばらく歌ったところで、昔の吉川晃司なりきりのサングラス男乱入。 実はさっき引っ込んだばかりのマキタスポーツが衣装替えしての再登場なのでした。 濃いサングラスと薄い頭がかつらで隠されていたため、しばらく誰かわからなかった。 後のMCで言っていたとおり、「未来から来たぴんから兄弟」もしくは「Mr.マリック」のような風貌で、デタラメ英語のような歌詞を一人エコーのような吉川調で歌っていなかったら誰のモノマネだか分からないという(笑) ずっと腰を振りまくりでぶっ飛んでました。
そのうち、吉川スポーツが腰を振りつつ持田香織に急接近して不純な絡みを仕掛け、それにノッた持田香織も完全に現在の地上波放送ではNG行為の「ようなこと」をやらかす。 会場大盛況(笑)
これは、1985年の「夜のヒットスタジオDELUXE」出演時の超過激なアン・ルイス&吉川晃司バージョンを真似たものらしく、たぶん、これはそれを露骨さにおいて超えていたのではないでしょうか。

司会陣もこれには呆れ返ってました。 実は最後の持田香織の行為はリハーサルにはなかった本番アドリブだったそうで、アホみたいに腰を振っていた吉川スポーツも驚いて途中で腰が止まっちゃいそうになったとのこと(笑) 「Dear My Friend」や「Time goes by」で持田香織の歌声とともに青春を送った人の思い出をぶっ壊すようなぶっ飛びパフォーマンスでした。


六本木心中 – アン・ルイス

いよいよ、オオトリの出番。 田島貴男(オリジナル・ラブ)の登場。 
田島さんがカッコよすぎ。顔ちっちゃくて足長くてスタイル良すぎ。

『プレイバックpart2(山口百恵)』
ラテン系な歌声に「プレイバックpart2」というのがけっこう合ってる。


プレイバックpart2

『接吻』
昔から憧れだった『接吻』を目の前にいる田島さんから生で聴けたというのが、この日の何よりもの収穫。


『接吻』

司会の二人と今日登場したアーティストが一斉に舞台に集まってのエンディング。
司会からひとりひとりに最後のご挨拶をしていると、
安藤裕子の番で、少し酔っぱらっていたのかミッツが何か言葉をかけると「なんだよー!」とちっちゃな安藤裕子がでっかいミッツ・マングローブに詰め寄りメンチ切る。 会場もミッツも、冗談なのはわかってるんですけど「落ちの無いねえやんのパフォーマンス」に少々困惑(笑)
雛壇でけっこう飲んでたし酔っぱらってんのかな? 翌日のワンマンライブは大丈夫なのかな? と私も困惑。

3時間以上もの間、いつもテレビで見てる人が自分の目の前にいて、全力のパフォーマンスを見せてくれるというのは、ライブならではのとても贅沢な時間でした。
来年は椅子のあるところを用意したいとのことなので、来年も参加しようかな? ねえやん関係なしに。

そういえば、帰り道で近くを歩いてる女性グループが「安藤裕子ってすごいね」って言ってました(笑) 
たしかに数曲勝負の短期決戦の場合、ワンマンライブ以上に歌声に迫力が増すところがありますね。

ザンジバルナイト @ 新木場 STUDIO COAST

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