シングル 『クリスマスの恋人』 レビュー
ハードカバー製本の20ページにわたるミニ絵本は、安藤裕子本人の描き下ろしによるフェルト刺繍や水彩絵の具などで作り上げられたもので、自身のお子さんに読み聞かせるために作られた絵本でもあるように思えます。
末光篤 a.k.a SUEMITSU&THE SUEMITHによる作曲/サウンド・プロデュースの『クリスマスの恋人』が、安藤裕子らしからぬ商業的な音楽になったのはある意味当然とも言えますし、またそれは安藤裕子の狙い通りなんでしょうが、そのような「いかにも」なものを安藤裕子の歌唱に求めていない層には受けが悪い曲ではないかと個人的には思います。 実際にCMソングなどとして採用されればその趣旨の一面が反映される意味でいくらか救いがあるのですが…
動機に安藤裕子の日本のクリスマスへの個人的な思いがあったこともよくわかりますし、クリスマス・ストーリーのミニ絵本からもそれは十分に伺われます。
よって今回は、安藤裕子による贅沢な個人的お遊びかつ実験的なシングルカットであると考え、私は勝手に納得することにします(笑)
カップリングにユニコーンの『雪が降る町』のカヴァーがあること、これこそが私にとってこのシングル購入の一番の動機です。
伸びやかな地声とファルセットがフワリフワリと編み込まれていて、こちらの曲の方がずっと安藤裕子の歌声に合っています。 まさに真冬の街に雪がしんしんと降り積もっていく映像が目に浮かびます。 いずれ登場するであろう「カヴァーアルバム第2弾」に組み入れられるまでは、この曲のためにこそ当シングルは必要だと言えるでしょう。
また、今回の本人描き下ろしの絵本をアニメーションと本人朗読によってムービーにしたものを、クリスマス12月25日まで期間限定で公開となりました。
2014年12月25日まで限定公開